今年の夏は寒かった、と誰に会っても言う。7月、8月ともにほとんど毎日のように雨が降り、最低気温が1度(真夏にだ)を記録した日もあった。暖炉に火をくべた、という話も聞いた。もちろんブドウにはあまりよろしくない。
ところが、9月に入り、一転。夏のような日差しが照り付ける日が続いたのだ。
ここで、ちょっと自己PRをすると、わたしはものすごい晴れ女で、今回もちょうど8月末に日本を出発。事前に調べたらあまりに寒そうなので暖かい服をいっぱい持ってきたのにタンクトップとゴムゾウリでよかった。
以後、ただただ好天の毎日。晴れ女の実績がまた増えた。
さて、ヴァンダンジュの日程は、公式に決められる。300近い村のそれぞれで、シャンパーニュを作るのに認められている3種類のブドウ、すなわちシャルドネ、ピノノワール、ピノムニエそれぞれの日時が指定されるのである。
生産者は、これより早く始めてはいけないが、遅くするのは構わない。
シャンパーニュ・ティエリー・レンヌのあるヴァレドラマルヌ地区では、ピノムニエが9月12日より、ピノノワールが9月15日、シャルドネが9月17日からと決まった。そして、レンヌ家では、9月15日月曜をスタートすることに決定したのである。
9月に入ってからの晴天で1週間で糖度が2度も上がったそうだ。あと1週間、この後の天候も晴れが続くと予報されており、さらによく熟したブドウになるはずだ。 8月の寒さのことなどみんな忘れてしまったようで、楽しみなミレジムになるとだれもが顔をほころばせている。