ニューワールドワインというと、日照に恵まれてしっかり熟したブドウから造られるアルコール度数が高く、果実感たっぷりのワイン(さらに新樽をばっちり効かせた)がお手の物だったはず。
が、南アフリカのワインについて行われたセミナーで取り上げられたのは、「クール&エレガンス」。
試飲するワインは、シャルドネとピノノワールに特化していた。まさにブルゴーニュではないか。
ワインを勉強した人ならわかるが、南アフリカのワインと言えば、赤はピノタージュ、白はシュナンブラン、と学ぶ。なのに、完全にブルゴーニュ品種だ。
いまや世界的な傾向として“冷涼ワイン”がブームなのである。カリフォルニアも、オーストラリアも、いまやいかに自分のところのワイン産地が冷涼な気候なのかを競っている。新ダル比率はどんどん落ち、かつて新だる200%なんていうワインが注目されたパーカー全盛期に比べるとなんという変わりようだろうか。
いまや世界中がピノノワールを造りたがっている。目指すはブルゴーニュ。
これもある意味グローバリゼーションの行きつくところなのだろう。