ドブロブニクは美しい。が、高騰と混迷と混乱

ドブロブニクの街を歩き始めて、5分でもう後にしたくなった。

とにかく人が多い。恐ろしいほど多い。いやになるほど多い。P1010188

 

アドリア海の城塞都市としての歴史に思いを馳せるより、いかにフォトジェニックな写真を撮ってSNSにupすることしか考えていない人たちだらけだ。ホテルの料金に驚いていたが、これならむべなるかな。圧倒的に部屋が不足していることだろう。旧市街に部屋を持っていた人は自ら暮らすのをやめ貸すことにしている。ここまで観光客であふれていては暮らしずらいだおうし、貸した方がはるかに稼げる。

わたしが見つけたのもそんな部屋の一つ。まず、受付事務所のようなところに来いと言われる。どうやらオーナーは何か所か部屋を所有しているようで、その管理を一か所でしているというわけ。そこで鍵を受け取り、部屋まで案内される。なぜって住所だけではまずたどりつけないような小道を入り、奥まったところにあったからだ。

屋上のテラスのある建物が泊まったところ。ここの半地下の部分の狭い部屋が貸し出し用。
屋上のテラスのある建物が泊まったところ。ここの半地下の部分の狭い部屋が貸し出し用。

驚いたのは、チェックアウト後に荷物を預かってくれないこと。そして荷物預かりが有効なビジネスとなっていること。そうかもしれない。これだけの旅行者だ。そしてスペースはない。わずかでもスペースを持っていれば、十分なビジネスとなるのだ。ちなみに料金は1時間10クーナ約170円。都内の駐車場並ではないか、スーツケースひとつで。彼曰く、これでも一番安いランクだそうだ。

いちばんの名所である、街をぐるりと取り囲む城壁。これもまた、朝8時の開門前に長蛇の列ができ、入場券を買うにも長蛇の列。当然、歩き始めてもそこここで人の渋滞。

遠目に見ると、聖地への巡礼か、蟻の行列か・・・。

ちなみに、料金も最新版の地球の歩き方が200KNだったがそれより50クーナ値上がり。1年前のガイドブックが150だったから、毎年1000円ずつアップしている。それでもなお、この行列。

10時を過ぎると、街のそこここで人の滞留が起きていて、満足に歩くこともできない。写真で見る限り、いや、実際に見てもたいへん美しい街で、アドリア海の海の色とオレンジの屋根と白い壁、棕櫚の並木と夾竹桃の群生、どこを切り取っても実に絵になる。

要塞都市であったドブロブニク。街は城壁に囲まれており、その上を歩くことができる。アドリア海の海の色と赤い瓦屋根の街並み。素材としては最高なんだけどね。
要塞都市であったドブロブニク。街は城壁に囲まれており、その上を歩くことができる。アドリア海の海の色と赤い瓦屋根の街並み。素材としては最高なんだけどね。

とはいえ、だ。この人混みはうんざり。

もう来ないな。