見渡す限り一面の緑は、山の中腹まで全部ぶどう畑だ。
アルザスは8月の終わりに一足早くヴァンダンジュが始まった。
普段は音が吸い込まれるような静かな村々が、ブドウを運ぶ白いバンが行きかい、摘んだブドウを積み込むトラクターのエンジンがうるさい。うるさくはあるけれど、活気にあふれていて、あーまたこの季節がやってきた、と気持ちが弾む。天気は良く空気はすがすがしく、気持ちいいことこの上ないが、今年の収穫はある生産者によると30%減。天気のいい夏が続いたが、雨が少なかったのが原因。
フランス全体でも、今年は1945年以来最低の収量だと予想されている。景色は美しく、ツーリストには最高だけど、ヴィニュロンたちはあまりハッピーではないようだ。